最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)869 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人関山忠光同下山田行雄の上告趣意第一点について。
論旨は、原判決が論旨に引用する大審院の判例と相反する判断をしたと主張する
のであるが、その実質は原判決がAをB、Cと共同正犯の立場にあつたと認めるに
足る証拠はないと判示したことを攻撃して事実の誤認であるとするに外ならない。
論旨引用の判例は数人の共同正犯相互間の関係に関するものであるが、原判決は神
代を共同正犯と認めなかつたのであるから右判例と相反する判断をしたものではな
い。
同第二点及び第三点について。
原判決は、Aを贈賄者たるB、Cと共同正犯の関係なきものと認めたこと第一点
において説明したとおりである。されば被告人DがAに渡した金五万円は贈賄者に
返還されたものではなく、被告人Dが任意処分した金員であると言わなければなら
ない。それ故右金額の範囲内である金三万六千円を被告人Dから追徴したことは論
旨引用の大審院判例と相反するところはない。論旨第三点においてはAが金五万円
を収受したものゝごとく主張していが、かゝる事実は原審の認めないところである
ばかりでなく原判決は被告人Dから三万六千円を追徴した点に違法はないと判示し
ているのであるから、所論のように判断を示さない違法があるものではない。
同第四点及び第五点について。
所論は、事実誤認並びに量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当ら
ない。なお、刑訴四一一条を適用すべき事由も認められない。
よつて、本件上告を理由ないものと認め、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員の一
致した意見で主文のとおり判決する。
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昭和二八年七月一八日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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